アトピーによい住環境を作るには
厚労省の統計によると、過去数十年、アトピー性皮膚炎(以下アトピー)の患者数が増え続けています。室内のダニやカビが環境的な要因となり、アレルギーを起こすことが多いようです。また、新建材や家具などに含まれる化学物質もアトピーを悪化させる原因です。
近年、自然素材をはじめとするアレルギーフリーの建材を活用した「健康住宅」も増えてきましたが、価格も高くなりがちです。日々既存の中古住宅などに接しているとそこまでの意識もされず残念に思うことがほとんどです。
もう少し費用を抑えて、アレルギーフリーの住まい作りができないものでしょうか?そこで、ご提案したいのが、中古マンションの自然素材リノベーションです。
マンションの自然素材リノベーションとは
リノベーションとは、既存の住まいの性能や価値を向上させる改修工事のこと。マンションの場合は、専有部分の内装や設備を撤去し、コンクリートむき出しのスケルトンの状態にしてから、新たに内装を作ります。
注文建築に近い感覚で施主の希望にあわせて設計やデザインができ、建装材も希望するものを選べます。例えば、壁を珪藻土で塗ったり、床を無垢材のフローリングにすれば、カビの原因となる結露を防ぎ、室内の湿度を快適に調湿してくれます。
既存のマンションをこうして健康的でアレルギーを起こしにくい住まいに変えるのが自然素材リノベーションです。
また、自然素材は、その素材感やぬくもりなどを感じて心地よさを与えてくれると同時にインテリアデザインを高め印象的な住まい空間を演出します。
おすすめの自然素材
では、どのような材料を使うのでしょう?主な自然素材の建材をご紹介いたします。
自然素材の床材
代表的なのが天然木の無垢のフローリング材。調湿効果が高く、室内結露やカビ、ダニを原因とするハウスダストの発生を抑制してくれるので、アレルギー対策に効果があります。木の種類や原産地によって、色、木目、堅さ、肌触りが異なります。
樹種によりますが、その匂いやフィトンチッドにより癒しの効果があり五感で心地よさを感じることが魅力的です。
無垢材以外では、断熱性や保湿性が高いコルクもおすすめ。畳の場合は、国産いぐさのものが丈夫で調湿性に優れています。
自然素材の壁材
塗り壁用の自然素材として代表的なものが珪藻土(けいそうど)と漆喰(しっくい)。珪藻土は断熱性、保湿性が高く、調湿効果にも優れています。漆喰は古くから壁材として使われており、耐火性、防カビ性も高く、調湿機能もあり、日本の気候に適しています。調湿効果は珪藻土の方が高め。
自然素材の壁紙(クロス)
パルプ紙をはじめ、和紙やコットン、ケナフ、いぐさなどさまざまな自然素材のクロスがあります。最近では、珪藻土や漆喰のクロスも開発されています。
この他にも、自然素材の塗料や接着剤もあり、建材の種類や用途にあわせて使い分けます。
自然素材リノベーションの注意点
こうしてみると、自然素材の建材が各種そろっていることがわかりますね。こんな素材を使ってリノベーションすれば、快適で健康によい住まい作りを実現できます。とはいえ、注意しておきたいことも。
まず、マンションによっては、構造や管理規約によって工事内容が制限される場合があります。水回り設備の移動やフローリングへの変更などを制限しているマンションもあるので、購入前の構造と管理規約のチェックは必須です。
さらに、最近はアレルギーフリーの化学製品も増えているので、耐久性も考え、フレキシブルに材料を使いわけてもよいでしょう。
施主の希望やこだわりにあわせて設計・施工できるのがリノベーションの最大のメリットです。詳しくはセミナーにて